不登校への対応 Q&A

RESPOND

不登校のご本人(お子さん)と保護者の方からお聞きすることの多い悩みごとと、みえ不登校支援ネットワークが多くお答えしている回答例を、Q&A形式でご紹介します。
もちろん、個別のケースに応じて適切に検討・対応することが大前提です。
それぞれの事情に適した対応は、無料相談でお気軽にご相談ください。

監修:みえ不登校支援ネットワーク 会長 西田寿美、副会長 志村浩二
編集:同事務局代表 石山佳秀

Q

どのタイミングで不登校だと判断すればよいのでしょうか?

A

「学校に行かなければいけない」と思っているお子さんの多くは、「学校に行きたくない」という言葉を簡単には口にできません。お子さんの顔色や様子を見て、無理をしているようであれば不登校だと判断してもいいのではないでしょうか?
毎朝、頭が痛い、お腹が痛いといった様子であれば、不登校と考えて対応されることがいいと考えます。

Q

子どもは登校したときに楽しそうに見えるのですが本当に楽しいのでしょうか?

A

不登校の子どもが学校に行くと周囲に気を使って、笑顔でいることはよくあります。それを、勘違いして無理に学校に行かせることで、本人は疲弊するかもしれません。
また、いつも学校では別の自分を演じることで、無理をしている子や自己否定感を深める子もいました。そのことを頭に入れて声をかけることで子どもの感じ方は変わってくるのではないでしょうか。

Q

毎日の欠席連絡がしんどいのですが、いい方法はありませんか?

A

毎朝、「今日は学校に行くの?行かないの?」というお子さんとのやりとりが地獄のようだったというお話を聞きます。
メールによる連絡や「学校に行く時だけ」連絡することもできます。
県教委の不登校支援の方針である「不登校の子どもと保護者に寄り添った支援」を学校の先生と共有することで、保護者のご負担が減ってくると思われます。
※ 質問「子どもの気持ちと保護者の希望を学校に伝える「確認シート」があると聞いたのですが?」もあわせてご覧ください。

Q

相談しても納得できる答えが返ってこないのですが?

A

不登校の対応に関する考え方は様々ですし、担当者によっても異なることがあります。カウンセラーは基本的にお話を聞くことが中心になりますので、アドバイスや提案を聞きたい時は、公的な教育相談や民間の不登校相談に行かれてはどうでしょうか?
また、親の会やフォーラムに参加されて、当事者のお話を通じて納得のできる考え方に出会う方もいます。

Q

不登校の対応は、人によって異なるのはなぜですか?

A

不登校支援の目的は「何としてでも学校に行かせる」ことではなく、「社会的自立を目指す」ことです。
ただ、そのイメージには、その人が生きてきた中で身に付けてきた人間観・人生観・価値観が大きく影響しており、さまざまです。支援者に自分の思いを伝え、イメージを共有しておくことが大切です。

Q

子どもの気持ちと保護者の希望を学校に伝える「確認シート」があると聞いたのですが?

A

そのための「確認シート」は県教育委員会のHPに掲載されています。
→確認シート:リンク先(https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001131318.pdf
お子さんの気持ちを尊重した支援は何よりも大切なことです。そのためには、学校が子どもや保護者の希望を把握することが必要です。

Q

先生が熱心に家庭訪問をしてくれますが、子どもは無理をしているようです...

A

学校を欠席しても、先生の訪問がつらいお子さんは、なかなか心が休まりません。一度、お子さんの本心を確認されてはどうでしょうか?
「無理してない?」「先生には断ることもできるよ?」という言葉で聞いてみて、訪問してほしくない場合は、そのことを先生に伝えて、休むことを優先されることがお子さんの回復につながると考えます。

Q

最初はどこに相談すればよいのでしょうか?

A

お住まいになられている地域や自治体によっても差がありますので、初めから「ここ」というところはないです。
ひとまず、お近くの市町村の教育支援センター(教育委員会)や相談機関(家庭児童相談室等)が良いと思います。
ただ、機関によってお考えや方針があります。もし、納得されなければ、他の機関にも相談してみて(このことをセカンドオピニオンといいます)、お子さんに一番合いそうな(無理をさせていない)ところにサポートしてもらうことが良いと考えます。

Q

どのような時に医療機関に受診するべきなのでしょうか?

A

食欲不振や睡眠障害や身体化症状(頭痛、発熱、吐き気等)が休みの日でも続くときです。

Q

学校と病院で違う指針を提案されたのですが、どうしたらいいでしょうか?

A

まずは自分が納得できる意見を参考にして子どもと向き合ってみることです。
大切なことは子どもの気持ちがわかるようになることです。子どもの行動には訳があります。大人にわかってもらいたい気持ちが隠れています。それを無視して大人の考えを押し付けると子どもはさらに心を閉ざしてしまいます。

Q

子どもがいじめで不登校になりました。カウンセラーとソーシャルワーカーのどちらに対応していただくのがいいのでしょうか?

A

ひと言にカウンセラーやソーシャルワーカーといっても、その方によって不登校についての考え方は様々です。
一般的には、「カウンセラー:お子さんやご家族の心の内面に」、「ソーシャルワーカー:お子さんを取り巻く家族や社会資源への働きかけ」がその仕事の中心になりますが、職種の違いよりも先に、「お子さん本人が一番自分に合っている、あるいは合っていそう」と思える方に対応してもらうのが大切だと思います。
ただ、いじめの場合は被害にあった子どもの心のケア(これはカウンセラーの仕事です)だけでなく、いじめた側や学校に対しての環境調整も不可欠になります(これはソーシャルワーカーの仕事です)。いじめによる不登校は、不登校になった本人の問題以上に、いじめた側の状況や背景にアプローチしないと、解決が見えてきません。
その意味で(カウンセラーかソーシャルワーカーの)どちらかではなく、どちらもが共同して取り組んでもらうことが必要だと思います。

Q

カウンセリングを勧められたのですが、相談とは違うのでしょうか?

A

この場合のカウンセリングとは「心理カウンセリング」のことを指していて、「面接を通じて『その人が自分自身の何かに気づく』こと」を目的としています。
通常の相談は「何かアドバイスをもらうこと」がメインですので、正確に言うと若干目的が異なります。

Q

高校で不登校をしている場合、転学するタイミングをどう考えればいいですか?

A

高校は単位が取得できないことにより、進級できないことがあります。なるべく本人がよりしんどくなる前に転学を決められるといいと思います。
通信制高校などへの転学は、早い方がその年度の単位が取得しやすくなります。
ただ、本人が今の高校での卒業にこだわっているのであれば、納得して決めるまでの時間が必要です。
何年か後に、「あの時、転学を決めたのは自分の意志だった。」という記憶になるようにお子さんと関わることが大切だと考えます。

Q

登校した時に「今日はがんばったね」と褒めることはいいことでしょうか?

A

登校した際に「がんばったね」と褒められることで、その時は嬉しいと感じる子どもは多いかも知れません。ただ、その言葉は、登校しないとき(できないとき)にも子どもの心に響くことがあります。
子どもによっては「がんばれない自分はダメ」だと自己否定感を深めることにならないでしょうか。
不登校に限らず、人は「条件付き(つまり何かができた時)に褒められる」のは、実は案外しんどいのではないでしょうか?
人が褒められて嬉しいのは、「その人の存在そのもの」を認められたときだと意識しておいた方がよいでしょう。

Q

不登校からひきこもることが心配なのですが?

A

不登校のお子さんによって、周りの目が気になり、しばらく人に会いたくないことはよくあることです。
そのような時は、お子さんの気持ちを尊重してください。
ただ、不登校から自己否定感を深めて、親子関係が悪化すると、追い詰められてひきこもることがあります。お子さんと肯定的に向き合い、親子の信頼関係を維持していくことは大切です。

Q

子どもが学校に行かなかったら、親子関係が悪くなるのでしょうか?

A

お子さんを何としても学校へ行かせようとすることで、残念ながら親子関係が悪くなることはあります。
たしかに他のお子さんと比べて、先のことを考えると不安になると思います。今、目の前にいるお子さんとの関係を大切にされてはどうでしょう。
お子さんが安心して試行錯誤して成長していくためにも信頼される親子関係を築いていっていただきたいと考えます。

Q

子どもは「学校に行きたい」と言っているのに、行けないのはなぜですか?

A

頭では「学校に行かなければいけない」と思っていても、心や身体が学校に行くことを拒否していることはよくあることです。
本人の中では、頭と心・身体が一致しないので、混乱しています。そのような状態から「学校に行きたい」と言葉にする子もいます。お子さんとじっくり時間をかけて話し合うことが必要ではないでしょうか。
もし、いじめなどが考えられる場合は、本人の了解が得られなければ絶対に学校には伝えないことを約束して、お話を聞かれてはどうでしょうか。

Q

見守ることが大切だと聞きますが、放っておけばいいのでしょうか?

A

「学校にそろそろ行けるだろうか?」という観察するような視点でなく、子どもの成長を「信頼して見守る」ことで、子どもは少しずつ安心できるようになります。
また、子どもの嬉しいこと、楽しいことや日常のことなど、子どもに関心を持つことも大切ではないでしょうか。

Q

少しでも学校に行ってほしいのですが、なかなか行けません。まだ休むことが必要なのでしょうか?

A

もしかしたら本人は学校に行かない自分を否定的に捉えて、強い罪悪感の中で学校を欠席しているのかも知れません。
心が休まり、回復するためにも、周囲の肯定的な眼差しの中で休めるといいですね。
そして回復していく中で、本人の希望ややりたいことが出てきたら、その気持ちに寄り添って応援していただきたいと思います。

Q

子どもが何もしないで、ゲームしかしていません。これでいいのでしょうか?

A

本当にしんどいからこそ、勉強だけでなく何も手をつけることができないのではないでしょうか。
また、ゲームをしていた自分を後から振り返って、「ゲームは自分にとって生き延びるための浮き輪のようなものだった。」と話す子もいます。
お子さんと肯定的に向き合うことを大切にされた上で、お子さんの気持ちを聞かれてはどうでしょうか。
ゲームそのものを否定するのではなく、「ゲームをしていない時間(つまり誰かとの肯定的なコミュニケーション)」を増やしていくくらいの感覚で臨んだ方が良いでしょう。

Q

学校の給食費の支払いは、どうすればいいのでしょうか?

A

学校に希望を伝えて休止することもできます。
学校によって少し事情が異なるかも知れませんが、再開の仕方も含めて学校とご相談されるといいと思います。

Q

子どもが勉強を全くせず、遅れていくことが心配です。

A

教科学習をしていないと不安を抱く人もいますが、無理を強いてまで、教科の勉強はしなくてもいいと考えています。
ゆっくり休むこともが必要な時もあります。日常の読書・ゲーム・会話の中から言語能力や読解力も育っています。
年齢とともに理解力も高まりますので、教科学習をしたいと思った時にまとめて効率よく学習することもできます。

Q

子育てを間違えているのでしょうか? 

A

不登校の児童生徒の割合は2010年から3倍にもなっています。
不登校は悪いことではないので「子育てを間違えた、失敗した」と保護者がご自分を責めなくていいと考えます。学校に行く・行かないは、その人の行動の一つであって、人格を否定されることではありません。
文部科学省の通知でも、不登校支援の目的には「社会的自立を目指す」とあります。長期的視点を持ち、子どもの育ちを支援していきたいですね。

Q

不登校の子どもとの大切にしたい向き合い方はありますか?

A

不登校の子どもを特別視することやジャッジをしないで、他の子どもたちと同じように向き合えたらいいと思います。
また、子どもを尊敬・信頼することを大切にして、子どもの本心に沿った試行錯誤を応援するのが良いと思います。

監修:西田寿美 特定非営利活動法人 ライフ・ステージ・サポートみえ
   志村浩二 浜松学院大学短期大学部 幼児教育科 子どもの未来創造センター長 教授
編集:石山佳秀 認定NPO法人 フリースクール三重シューレ 代表 

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